どちらかというと翻訳本は、昔からあまり好まなかったんですけど、
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「かもめのジョナサン」は、お気に入りの一冊です。
最初にジョナサンと出会ったのは、高校生の頃だったかな。
五木寛之さんの意訳(五木さんいわく「創作翻訳」)が
とても読みやすかったのと、
刺激的な小説の内容に、若かりしぼくは感銘を受けたのでした。
以来、ぼくの書棚の「いつかまた読み返す本」コーナーに鎮座しています。
さて、「かもめのジョナサン」は、
3章で構成された小説なのですが、
このたび、著者のリチャード・バックが
未発表だった「幻の4章」を付け加えて「完成版」を出した、
というニュースを新聞で知りました。
つまり、物語のオチが変わってしまうワケです。
もちろん、ぼくは発売とほぼ同時に買いました。
これが、新しい完成版です。
4章の内容はあえて書きませんが、
現代社会にたいするアイロニーのようなものが
多分に含まれていると思います。
しかし、この4章が加えられたことで、ぼくのなかでは
いっそうお気に入りの一冊となりました。
まさに、完成した版、という感じがして、
なんだか色々と腑に落ちたのです。
四十代になって、読み返してみても
やっぱりいい本であることには代わりありませんが、
正直、十代の頃に味わった、
あのヒリヒリするような感銘は受けませんでした。
しかし、あらためて「うん、人生って、そうだよなぁ」と、
テストの答案を見ながら復習するような、
そういう感覚になりました。
個人的には、人生を肯定してもらえた感もあります。
この本、十年後にまた読み返したら、そのときはまた違った
感想を抱くことになるのでしょう。
それを楽しみに、「完成版」もまた
大切に書棚にしまっておこうと思います。
アディオース\(^O^)/
森沢明夫
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